|更新日 2020.01.25
|公開日 2019.03.17

1 まずは解説書・テキスト

 本選びから受験開始!

受験勉強の最初の仕事は『解説書|テキスト』(以下『解説書』)選びです。

いろいろ市販されていて選ぶのに迷いますが、薄い本は選ばないようにしましょう。薄いものは、合格に必要な情報が不足しているからです。長く版を重ねて出版されてきた定評ある『解説書』は、700ページ前後の厚さです。

定評ある『解説書』であれば、どれでもいいようですが、細かいことをいえばどれも一長一短です。定評あるものを使ったからといって合格の保証はありません。
同じ『解説書』を読んでも不合格になった人は大勢います。

「権利関係」「法令上の制限」「宅建業法」というように、主要分野別に3分冊されている『解説書』もあります。
かなり詳しく書かれていますので、時間に余裕のない人は、これらは参考書にして、やはり全分野が1冊にまとまっているものがいいかもしれません。

一度書店に出かけて、実際に手にとって時間をかけて読んでみることをおすすめします。これは非常に大切な作業ですから、ジックリ読むようにしてください。

 チェックするのは2点

1|記述の内容
1つは、もちろん記述の内容です。
パラパラとめくって無頓着に選ばないようにしましょう。
『解説書』は合否に直結します。記述がていねいでわかりやすいか、読みやすいか、長く使えそうかなど、いろいろとチェックする必要がありますね。

同じテーマについて、その記述を比較して読んでみるのが一番です。
民法の記述はわかりやすく書いてあるか、都市計画法はどうか、用途地域ではイラストなどわかりやすくなっているか、全体的にまとめの図表などがあるか、これらを比較しながら読んでみると違いがわかって選ぶ助けになるでしょう。

『解説書A』はこう書いているのに、『解説書B』はこんなふうに書いている、Cはこうだ、みたいな。
長いつきあいになるのですから、自分にあったものを選ぶことがポイントです。

個人的には、宅建専門校が刊行している『解説書』がいいのではないかと思っています。何より著者・編者は受験の現場を踏んでいますし、もしレベルの低い『解説書』を出そうものなら、受験者の募集に致命的な支障が出るわけですから、手抜きはできませんね。
長年、資格取得を専門に取り組んできた実績がありますから、安心できるでしょう。
私も、かつての職場の後輩にはこのような『解説書』を紹介しました。

2|編 集
2つめは編集です。記述の内容ほど重要ではありませんが、やはり読みやすさは気になるものです。
文字が小さすぎないか・大きすぎないか、明朝体・ゴシック体が整然と使い分けてあるか、行間がきつくないか、カラーを使いすぎていないかなど、大体は読者のことを考えた編集がされているはずです。

しかし、ある『解説書』をみてビックリしました。やたらルビが多くて、少なからず読みづらさを感じました。
「時効」とか「無権利者」「建築物」などにルビが付いていましたが、ルビをふらないと読めないのでしょうか。邪魔じゃまになって本文に集中できないのではと心配になりました。

たまに読みにくい編集の本もありますので、ちょっと注意しましょう。

2 『解説書』の読み方

 読み方がポイント

同じ『解説書』を使っても、合格する人と落ちる人がいます。
肝心なのは『解説書』より、むしろその読み方です。『解説書』は徹底的に読み込むことが大事ですよ。
最初はわけのわからない専門用語だらけです。そもそも法律知識が乏しいわけですから、むしろ当然ですよね。

慎重に検討して選んだ『解説書』なら、わからないからといって、途中で安易に変えない。最後まで食らいついていく。合格者もみんな経験していることです。
はじめての人は辛抱強く一通り読み通す、まずはここからですね。

 とにかく1回目を乗り切る

|1回目は苦労するけれど|
通読は、1回目がいちばん大変です。
最初は1行1行ていねいに読み進みます。ときおり立ち止まって前後を読み返してみましょう。ザーと読み流すのは厳禁ですよ、ていねいに読むのがポイントです。

わからないところがあっても気にしない。とりあえず「?」マークをつけておいて、先に進んでいく。勉強していくうちに、だんだんと理解できてきますから。

はじめて読む『解説書』はむつかしくて退屈でしょうが、ここは気合いを入れて粘り強く読まなければなりません。
1回目が一番骨が折れるので、ここで根を上げないことです。1回目を乗り切れば、次第に興味もわいてきます。

『解説書』には最初からマーカーしないのがいいでしょう。理解力がつくとこのマーカーが邪魔になってくるんですね。

2回目からは、理解しにくいところも少し時間をかけ、考えたり調べたりして、疑問点を解決しながら読み進みます。
混乱しやすい個所、入り組んでいる個所なんかは、ノートに書いてみて理解するようにしましょう。

何度読んでもわからない部分は、弁護士が公開しているサイトを参考にするのも有益です。こうした作業は時間がかかる分、ずいぶん力がつきます

このころから『過去問題集』にチャレンジして、『解説書』と往復学習を積み重ねていきます。
『解説書』と『過去問』の往復学習と、これを繰り返す反復学習です。
「往復学習」+「反復学習」は、合格者が例外なく実行している勉強法ですよ。

こうして何回か取り組むころには知識もだんだんと増え、難解な専門用語も普通にわかるようになって着実に力がついてきます。こうなればしめたもの。

(この項終わり)