|更新日 2020.02.20
|公開日 2019.03.21

1回で合格する勉強法、宅建試験

1|いつから、どれだけ勉強するか

1回で宅建試験に合格するためにはいくつかの条件がありますが、まずは勉強開始の時期と勉強時間の確保です。

 スランプを考えて早く開始

|できれば4月には始めよう!|
宅建試験の範囲は広く、ゼロから合格レベルにもっていくには、どうしても「一定の勉強期間」が必要です。
1月~2月に始めている人は問題ありませんが、まだの人はすぐに始めましょう
スタートが遅くなればなるほど不利になります。

スランプになる時もありますから、時間に余裕のある人でも、スタートは早ければ早いほど有利です。
どんなに遅くとも4月からは開始するようにしましょう。
それでも学習期間は6か月半ですから、厳しい道のりには違いありません。

リベンジの人は5月からでも間に合うでしょうが、途中で何があるか予測できないのが人生です。いまから余裕をもってスタートしましょう。

*初心者で直前3か月の勉強で合格した人もいるようです。おそらくほかの資格試験の勉強をしていたとか、大学で民法は勉強していたとか、公務員試験・司法試験の勉強をしていたとかで、すでに相当勉強していたのでしょう。
いわば有利な環境にあった人で、これから挑戦しようとする人の参考にはなりませんね。


|勉強する習慣|
それから忘れてならないのは、継続してコツコツ勉強する習慣をつけることです。
気分によって勉強しないことです。
仕事で忙しい時もあるでしょうが、1日30分でもテキストをめくってみましょう。
そんな習慣が合格を後押しします。

今日は気分がいいからしっかりやろう!
今日は気分がすぐれないから休もう。
これではダメですよ。
気分がよくても悪くても、淡々と勉強しましょう。気分がいいから勉強するのではなく、勉強すれば気分はよくなるものです。

 合格に必要な勉強時間は?

|合格に必要な知識量|
合格するためには、合格に必要な知識の絶対量があります。
最終的には「主要3分野」(権利関係、法令上の制限、宅建業法)をマスターしなければならないのですが、そのために必要な勉強時間はどれくらいなのでしょうか?

これは人によりいろいろで、一概にはいえません。
従来、標準的な学習時間は、『解説書』通読と『過去問』練習をあわせて、約300時間といわれましたが、これはあくまでも最小限度の時間です。
はじめての人が合格に欠かせない知識量をマスターするには、実際のところ、350時間以上は必要でしょう。

たとえば、4月から開始すれば試験まで6か月半、1日90分を週5日、土・祝4時間(日曜休み)で計算すると、285時間です。
5月からでは5か月半。同じく1日90分を週5日、土・祝を5時間(日曜休み)として、276時間

これに、「ゴールデンウィーク」や「夏休み」などを加えれば、350時間は確保できるでしょう。
 リベンジする人であれば、もっと少ない時間ですむはずです。

宅建合格勉強法01

 スキマ時間はおいしい! 
以上はひとつの目安ですが、できるかぎり勉強時間を確保する努力が必要です。

通勤・通学時間や昼休み、授業・家事の合間など、スキマ時間を大いに活用しましょう。「5分・10分」も積み重なると2時間・3時間、いや、それ以上です。

2|効果のある勉強法とは?

1回で宅建試験に合格するためには、勉強法を検討する必要があります。

 共通の勉強法

宅建試験は記憶力の試験です。2時間で50問(200選択肢)、1問(4選択肢)につき2分24秒、1選択肢についてわずか36秒です。
本試験は、○か×の即断即決を迫られるシーンの連続です。ゆっくり読み返している時間はそう多くはありません。

数か月間で、合格に必要な知識を貯え、その知識を試験時間中に正確に思い出す。
合否の分かれ目は、この一点にあります。
勉強したことをシッカリ記憶する、ただ「これだけ」です。
正確に記憶していれば、選択肢1つに10秒もかからないことだってあるのです。

|共通の勉強法=往復+反復|
正確に記憶する有効な勉強法はただ1つ、「くり返す」ことです。辛抱強く反復学習をしましょう。
膨大な知識を試験当日まで確実に覚えておくためには、ひたすら「くり返す」ことしか方法はありません。記憶は、くり返せばくり返すほど強固になります。

『解説書』を読んだら『過去問』練習をする。『過去問』をやったら『解説書』にもどる。この往復学習をくり返します
『過去問』はまちがったらその原因を突き止めて知識を正確にしましょう。
絶対にミスしなくなるまで、何度も挑戦しましょう。

「往復学習」+「反復学習」

合格者に共通の勉強法です。

 勉強法が異なる民法

|民法と他の科目は勉強法が異なる|
断言しますが、宅建の合否は民法で決まります。
ですから、民法の勉強法を誤ると致命的です。宅建試験が「記憶力の試験」だからといって、民法もただ暗記すればいいというわけではありませんよ。

多くの人が「民法」で苦労するのは、「宅建業法」や「法令上の制限」と同じような勉強をしているからです。
これらは暗記重視の科目ですから、要は覚えればいいだけのことです。
宅建業法はやさしく、法令制限もそれほどむつかしい科目ではありません。
『解説書』と『過去問』の往復学習を反復すれば、しっかりと記憶でき、はじめての人でも短期間で合格点がとれるでしょう。

しかし、民法は違います
同じように暗記に重点を置いた勉強をしていては、合格に必要な基礎力・応用力は絶対につきません。暗記だけでは歯が立たないのです。

民法の勉強法については、こちらの記事が参考になるかもしれません。

宅建民法が得意になる唯一の勉強法

3|何点とれば合格できる?

1回で宅建試験に合格するには、何点とればいいのでしょうか?
ズバリ36点以上です。

この15年間の合格点は、37点がわずかに1回(1昨年)、36点が2回、35点が4回で、31~34点が9回です。36点とれば合格の確率はきわめて高いといえます。
ただし「36点」をめざして勉強してはダメですよ。「40点以上」をめざしてはじめて36点がとれるものなのです。

1回で合格するためには、いうまでもありませんが、主要3分野で高得点する必要があります。
「主要3分野」というのは、①権利関係、②宅建業法、③法令制限をいいます。

宅建試験の出題総数は全50問ですが、内訳は次のようになっています。
① 権利関係  14問
② 宅建業法  20問
③ 法令制限  8問
④ その他分野 6問
⑤ 税法    2問

主要3分野は、全50問中42問(84%)を占めていますから、何といってもここで大量点をとることが合格の絶対条件です。
まずはここに全力を傾注しましょう。

得点と得点率の目安として、ご参考までに1例をあげてみました。
① 権利関係  9点[64%]
② 宅建業法  16点[80%]
③ 法令制限  6点[75%]
④ その他分野 4点[67%]
⑤ 税 法   1点[50%]
これでギリギリ36点[72%]です。

4|何の科目から勉強する?

1回で合格するためには、何の科目から勉強するかを検討する必要があります。

 民法を早くからスタート!

|民法から始めよう!|
どの科目からスタートすべきでしょうか。
民法か宅建業法か、いろいろ意見もありますが、民法からスタートすることを強くおすすめします。理由は、範囲が広く理解するにも時間がかかるからです。

宅建業法をすすめる向きもありますが、おすすめできません。
正直にいって、これは民法という法律科目を知らない人の無価値な意見で、遠回りの勉強法です。
やさしいから、とっつきやすいから、出題数が20問もあるから、という理由です。
宅建業法は得点しやすい科目ですから、短期間で合格点に達することはむつかしくありません。ですから、早く始めなければならない理由はないのです。

民法は勉強する項目が非常に多いうえに、短期間で一気に力がつく科目ではないために、後回しにすればするほど不利になります。遅く始めて利益になることは1つもありません。
宅建試験では「民法は学習効率が非常によくない」のです。

だからこそ、限られた時間で1回で合格するためには、まずは民法からとりかかりましょう。
早い時期に2か月間くらい民法だけに集中するのがベストです。1回目・2回目の学習は時間がかかりますから、遅くとも4月には着手しなければならないでしょう。

宅建専門校では、初心者対象の「本格コース」などでは、民法は1月から、遅くても3月から開始しています。

なお、くれぐれも「法令上の制限」から始めるのは絶対に止めましょう。
もっともまずい方法です。

*昨年落ちたとか、大学やほかの資格試験で民法を勉強したことがあるような人は、すでに一通りの知識があるわけですから、5月からでも問題ないでしょう。
また、すでに宅建業法とか法令上の制限を終わっていれば、話は別です。

5|解説書とのつきあい方

こちらの記事がご参考になるでしょうか。

解説書・テキストとのつきあい方

6|過去問とのつきあい方

1回で宅建試験に合格するためには、過去問練習が必須です。

 過去問練習が不可欠

|問題練習で本当の力がつく|
『解説書』を読むだけでは知識は定着しません。本試験に合格することが目的ですから、本試験の問題が解けるようになることが必要です。そのためには、それを解く練習、つまり過去問練習が不可欠です。

過去問練習をすると、わかったつもりが、実はそうでもなかったことがよくわかります。これこそ過去問練習最大のメリットといえるでしょう。
2回くらい『解説書』を読み込んだら、過去問練習にとりかかり、出題の傾向や難易度をつかみましょう。

宅建合格勉強法02

 過去問練習のメリット

過去問練習には、『解説書』だけではわからない次のようなメリットがあります。

1 レベルがわかる
合格するためには、過去問レベルの勉強をしなければなりませんが、過去問練習はこのレベルを教えてくれます。
どの程度の知識が要求されているのか、暗記で簡単に得点できる科目と、暗記だけでは得点できない科目が一目瞭然です。

2 重要テーマはくり返し出題
初心者の方や独学の人は、なかなか重要部分とそうでない部分の区別がつかないために、同じように力を注いで非効率的な勉強をしてしまいます。

過去問練習をすると、次第に重要テーマとそうでないテーマがわかってきますので、勉強のポイントがズレないため、効率的な学習ができます。
重要テーマはくり返し出題されることが多いからです。

 どんな問題集がいいか

『過去問題集』の生命線は、その解説にあります。
「○×」となる理由が、ていねいにわかりやすく記述されているか、結論だけの簡単な記述ですませていないか、などが決め手になります。

収録問題数にも注意しましょう。書籍という性質上、ページ数に制限があり、「問題数が十分でない」問題集も多くあります。
少ない問題数を「くり返し」やってもそれほどの効果は望めません。

かつては『10年間過去問題集』が主役でしたが、最近では『12年間過去問題集』も見受けられるようになりました。
受験者にはありがたいことですね。

学習の進度に応じて理解力をチェックしていく必要がありますから、『項目別』『一問一答式』の問題集が最適でしょう。

 何回やればいい?

|3回以上の反復練習を|
1回で合格するためには、過去問練習は1~2回では足りません。
最低でも3回、できれば4~5回は繰り返しましょう。

本番までひたすら過去問を解いて解いて、絶対にミスしなくなるまで何度も何度も反復します。解説も『解説書』のつもりで、わかるまで読み込みます。
残念ながら、不合格者のほとんどは、これを実行していないのが実情です。

 新出問題対策は?

満点をめざすとか、45点以上をめざすというなら、「法令上制限」のこまかい項目や「税法」の所得税などに時間を割くのもいいでしょう。しかし多くの人は時間が限られています。
確実に40点以上はとる」という対策で十分です。

民法の新出問題でいえば、昨年の令和元年(2019)では新出問題はありませんでしたが、平成30年(2018)の試験では「事務管理」が新出でした。
過去問にこれがなかったからと悔やむことはありません。正解できなくても合否に影響はないからです。
みんなが正解するレベルのほかの問題ができていればいいのです。
『解説書』をていねいに読んでいれば、新出問題にそれほど神経を使う必要はないでしょう。

7|挫折する人は多い

1回で合格するには、途中で投げ出さない、挫折しないことです。

 受験率の実態

不動産適正取引推進機構(RETIO)の発表によれば、ここ20年間の受験率は、例年ほぼ80%です。試験当日欠席した人が20%もいるのです。毎年ですよ。
ちなみに、令和元年度(2019)の受験率は80.0%でした。なお「登録講習修了者」は88.9%ですから、やはり意気込みが違うのでしょうね。

7月に高い受験料 7,000円を払って申込みをしたのに、10月の試験当日になって棄権した人が、100人中20人もいるのです。挫折する人が意外に多いことがわかります。

数か月間準備してきたのに、事情があって棄権したのでしょう。
受験勉強を継続することは、それほどやさしくはなかったということですね。

 直前の集中力がモノをいう

|継続する工夫を|
試験日当日の「はい、試験終了です。ペンを置いてください」の合図があるまで、決してあきらめてはいけません。

勉強を始めた頃は、やる気も勢いもあるのですが、8月頃になると「もうダメだ」という気持ちと、「あきらめてはいけない」という気持ちが相半ばします。
8月まで一所懸命頑張ってきたのに、9月頃になってやる気が減退するのです。

合格者の多くが口にするのは「直前の集中力がモノをいう」ということです。
とくに「9月中旬から10月中旬」までの1か月が合否を決定的に左右します。数ヵ月間の努力が実を結ぶか、ムダになるか。

最後の追い込みが決定的となりますから、試験当日に実力・意欲ともピークになる状態にもっていくように工夫が要ります。
たとえば「日曜日は絶対に休む」を厳守するとか、自分なりに継続していく工夫が必要です。

8|リベンジの人へ

1度勉強して一定レベルに達してはいるものの、今年合格する保証はありません。
今年を最後の1回にするには、「今年は絶対に合格する!」という強い気持ちが欠かせません。

 36点~30点だった人

大変悔しい思いをされたことでしょう。
すでにかなり力がある人ですから、「一問一答式」でも「四択式」でも、『過去問題集』から再開してもいいと思います。
四択式問題の場合には、消去法は使わないで、1肢1肢を「単独の問題」として解くようにしましょう。

とくに心がけたいのは、正解できなかった選択肢は解説をじっくり読み、それでも解決できないときは、必ず『解説書』に戻って、「どうして正解できなかったか」を徹底的に追求するようにしましょう。

こうして、うろ覚えのところや弱点を克服していきます。これをやらない限り、今以上の力はつきませんからね。

 29点以下だった人

イチから見直しが必要です。はっきりいって勉強の絶対量・知識量が圧倒的に足りません。30点(6割)とれなかったという結果がそれを表しています。合格した人は、やはりよく勉強しています。

『解説書』を1行1行ていねいに読み込むと同時に、徹底的に過去問練習をくり返すようにしましょう。
何よりも基礎力を確実にマスターするのが先決です。昨年の「貴重な経験」を活かしましょう。

9|結局はあなた次第

1回で合格するための最後のポイントは、マインドです。

宅建試験は、努力すれば必ず合格できる試験です。
ですから、どんな困難なことがあっても、途中で投げ出さない「強い心」をもつことが大切です。

「絶対に合格するぞ」という強い気持ち、戦う気持ちがないと、どんな勉強法も役に立ちません。
独学だろうが通信講座だろうが、宅建専門校に通おうが、関係ありません。
同じ『解説書』を読んでも、同じ『過去問題集』を使っても、あるいは同じ専門校に通っても、合格者と不合格者に分かれるのです。

多くの人が、それぞれの環境の中でハンディを克服しながら勉強し合格しています。
合格できるかどうかは、結局は本人の努力にかかっているといえるでしょう。

※ 令和2年(2020)は、改正民法(債権法・相続法)が出題範囲になります。
民法の出題数は10問です。
改正部分がすべて出題されるわけではありませんが、それでも確実に民法の勉強量が増えることになります。
民法の勉強は、できるだけ余裕をもって始めましょう。

(この項終わり)