|更新日 2021.03.05
|公開日 2020.02.27

32年間の出題傾向|32年間で7問です。直近では、令和2年(2020)に、代襲相続が出題されました。
相続の分野は、選択肢として混合で出題されるテーマも多く、実際はもっと多く出題されています。
得点のカギ次のポイントを押さえましょう。
1 相続人の範囲
2 具体的な相続分
3 代襲相続の要件・効果
れいちゃん01

よく出題されるの?
むつかしいの?

たくちゃん01

それほどではないけれど。
相続人とその相続分は基本中の基本だから、過去問で相続分の計算練習をしておこうね。
平成26年・29年は丸々相続分の計算問題だったんだよ。

1|相続制度

相続はいつ開始する?
相続は、人の死亡によって開始します。
たとえ相続人が、被相続人の死亡を知らなくても、そのすべての財産、つまり一切の権利義務が、死亡と同時に当然に相続人に移転します。
不動産の移転登記をしたり、預金の名義を変えたりなどの手続きは必要ありません。

※ ただし、被相続人の一身に専属したもの、たとえば代理権や使用借権などは、相続の対象とはなりません。

相続人の範囲──笑う相続人
相続をする者の範囲は、次の者に限られています。

  • 配偶者
  • 子(代襲相続あり)
  • 直系尊属
  • 兄弟姉妹(代襲相続あり)

このように限定したのは、相続人の範囲をあまりに広くして、ある人の死亡を悲しまずに、ただその遺産の相続を喜ぶ、いわゆる「笑う相続人」を多く生じさせてしまうことは、法感情に反するだけでなく弊害を伴うおそれもあるからです。

2|法定相続人と相続分

 相続順序・相続人・相続分

相続順序と相続人・相続分は、次のとおりです。

配偶者は「常に」相続人となります。
子がいてもいなくても、直系尊属がいてもいなくても、常に相続人です。
したがって、ほかに相続人がいなければ、配偶者1人で全遺産を相続します。

法定相続分の算出問題では、相続人を確定し、次に、相続分を計算します。

相続人と法定相続分は次のとおりです。
これを覚えていないと算出問題は正解できません。

第1順位|子と配偶者
子がいるときは、子と配偶者が相続人となります。
第1順位者である子とその代襲相続人がいるときは、「直系尊属」「兄弟姉妹」は相続人になることはできません。
・配偶者 1/2
・子   1/2

配偶者がいないときは、子がすべてを等分します。
子が数人あるときは1/2を等分します。
「子」であれば、実子・養子、嫡出子・非嫡出子に区別はなく、また結婚した娘、養子に行った子も含まれます。

被相続人の「死亡時」に、まだ生まれていない胎児も1人の相続人となります。
被相続人の生存中に「離婚した元配偶者」は、相続人とはなりません。

第2順位|直系尊属と配偶者
子がないときは、配偶者と第2順位者の直系尊属が相続人となります。
第3順位者の「兄弟姉妹」がいても、兄弟姉妹は相続人とはなりません。
・配偶者  2/3
・直系尊属 1/3

直系尊属が数人あるときは、1/3を等分します。
配偶者もいなければ、直系尊属だけが相続します。

第3順位|兄弟姉妹と配偶者
「子も直系尊属もないとき」に、配偶者と兄弟姉妹が相続します。
・配偶者  3/4
・兄弟姉妹 1/4

兄弟姉妹が数人あるときは、1/4を等分します。
配偶者がいないときは、兄弟姉妹がすべてを等分します。
なお、父または母を異にする兄弟姉妹の相続分は、父母ともに同じ兄弟姉妹の1/2です。

ちなみに、配偶者の相続分は「1/2→2/3→3/4」と分子・分母が1つずつ増していきます。

パトモス先生講義中

相続の順序と相続分は絶対に覚えないとダメだよ。

 代襲相続

意 味

代襲相続というのは、被相続人の死亡以前に、相続人である兄弟姉妹がすでに死亡していたときなどの場合に、その者の「直系卑属」が代わって相続することをいいます。

親子・夫婦・兄弟姉妹などの親族関係は、現在における「横のつながり」があるだけでなく、将来にわたる「縦のつながり」でもあって、その経済的な基礎を与えているのが相続制度です。
代襲相続は、その趣旨を受け継いでいるわけです。

代襲原因
代襲原因は、3つに限られます。
 相続開始以前の死亡
 相続欠格
 廃 除
相続人が、いずれかに該当していれば、その者の子が代襲相続します。

代襲相続人
代襲相続人になるのは次のいずれかです。
・相続人の子(被相続人の孫)
・兄弟姉妹の子

再代襲
相続人の子が、代襲原因(①・②・③)のいずれかによって代襲相続権を失った場合には、さらにその子が代襲相続します。これを再代襲といいます。
ただし、兄弟姉妹の代襲相続は、その子に限られており、再代襲は認められません。

代襲相続人の相続分
代襲相続人の相続分は、相続人の相続分と同じです。
代襲相続人が数人あれば、等分されます。

 相続欠格事由

相続人となることができない欠格事由は、5つあります。
しかし、試験で必要なのは1つ、被相続人の遺言書を偽造したり、破棄したり、または隠匿することです。
被相続人の「遺言書を偽造」すると、相続人となることはできません。

 持戻し免除の推定

改正前民法では、配偶者に贈与や遺贈がなされても、原則として「遺産の先渡しを受けたもの」とされるため、配偶者が最終的に取得する財産額は、結果的に「贈与等がなかった」と同じになってしまいます。
これでは、配偶者の老後の生活を配慮して贈与等を行った被相続人の意思が、遺産分割の結果に反映されないことになります。

そこで新民法は、20年以上婚姻関係にある被相続人が、配偶者に自宅建物や敷地を遺贈・贈与したときは、その部分は、配偶者のために持戻し(贈与があった場合、その分を相続財産に含めて計算すること)を免除したものと推定する(903条4項)ことにしました。
これにより「遺産の先渡しを受けたもの」として取り扱う必要がなくなり、自宅建物や敷地は遺産分割の対象から除外され、配偶者は、いままで以上の相続分が確保できるようになったわけです。
ただし、
 婚姻期間が20年以上の夫婦が配偶者に対して行うこと
 対象は居住用不動産であること
が必要です。
投資用に購入した別荘を贈与しても、免除の推定はされません。

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次の問題は○か×か(問題文クリック)

[正解&解説] 相続人の法定相続分に関する基本問題。
 配偶者と子が相続人のときは、その相続分は、それぞれ1/2なので、配偶者B1/2、子C1/2となる。
 子B・Cだけが相続人のときは、その相続分は均等なので、B1/2、C1/2となる。
結局のところ、Bの法定相続分は、①・②ともに1/2なので、「の方が大きい」との記述は、誤りです。

ポイントまとめ

 配偶者は常に相続人となる。
 相続順序と相続人・相続分は、次のとおり。
① 第1順位の子と配偶者
・配偶者1/2 ・子1/2
② 第2順位の直系尊属と配偶者
・配偶者2/3 ・直系尊属1/3
③ 第3順位の兄弟姉妹と配偶者
・配偶者3/4 ・兄弟姉妹1/4
 被相続人の死亡以前に、相続人である子・兄弟姉妹が死亡していたときは、その者の直系卑属が代襲相続する。
 相続人の子が代襲相続権を失ったときは、その子が再代襲して相続する。
 兄弟姉妹の代襲相続は子に限られ、再代襲は認められない。
 被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者は相続人となることができない。
 20年以上婚姻関係にある被相続人が、配偶者に自宅建物や敷地を遺贈・贈与したときは、その部分は、持戻しを免除したものと推定される。

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