|更新日 2020.01.21
|公開日 2017.07.07

31年間の出題傾向全テーマの中で、最も出題率の高いテーマは「代理」と「抵当権」です。
代理はこの31年間で25問出題されています。
内訳は、代理通則9問、表見代理・無権代理9問、総合問題7問となっています。選択肢として出題された問題を入れればもっと多いでしょう。
要するに、代理は全範囲から出題されているということです。
令和1年(2019)には[無権代理](判決文問題)が出題されました。代理は、必ずマスターしなければなりません。時間があまりない人でも、代理をスルーするわけにはいきません。

[民法基礎]で基本をしっかり理解して、[厳選民法過去問]でその知識を確実にしましょう。
[改 正] 代理の基本には変更ありませんが、争いのあった解釈を解決して新規に新設されたものや判例の見解を明文化したものなど、かなりの条文が改正されています。

れいちゃん01

代理って何なの?

たくちゃん01

本人に代わって他人(代理人)が契約する制度だよ。

れいちゃん03

本人は何もしなくていいの?

たくちゃん02

そうだよ。代理人がみんなやってくれるからね。

1|代理制度の必要性

1 代理の意味|契約をするのは本人でなくてもいい

|契約をするのは本人でなくていいの?|
契約は、普通は自分で行いますよね。
本人が自分で契約して、土地やマンションを買ったり借りたりしますよね。
ところが代理では、本人に代わって、代理人が買ったり借りたりする契約をして、その結果、本人が所有権や賃借権を取得するのです。

代理というのは、本人が自分で契約をしないで、他人である代理人に契約させて、契約の効果だけを取得するという制度なのです。まず、この点をしっかり理解しておきましょう。

2 代理制度の機能

他人である「代理人が結んだ契約によって本人が直接に権利義務を取得する」という代理制度が確立された理由は、2つあります。

1|人の活動範囲を拡張するため
今日のように取引関係が複雑・高度になり規模が拡大してくると、1人でそのすべてを処理するには限界があります。
自分の信頼できる人を「代理人」として選び、専門知識・経験を有するその代理人が代わって契約をして、その結果「本人」が権利義務を取得するという仕組みを認めれば、活動範囲は飛躍的に拡張します。
任意代理人がこの作用を果たします。

2|人の活動を補充するため
意思能力が低下した高齢者とか知的障害者などのような場合、自分で契約をすることはきわめて困難です。
こうした制限行為能力者安全に社会生活を営んでいくためには、「代理人」としての親権者や成年後見人が代わって契約をして、その結果「本人」が権利義務を取得するという仕組みが必要とされます。
法定代理人がこの作用を果たします。

3 代理行為と代理の効果

|この流れを理解すれば代理はやさしい|
ここは大変重要なところです。
代理行為である契約は代理人が行うのですから、実際に契約の意思表示をするのは代理人ということになります。
しかし、契約の効果はすべて直接本人について生じるのです。
「契約をする者=意思表示をする者」とその「効果を受ける者=本人」とが異なるというのが、代理の最大の特徴です。

99条1項にはこのように書いてあります。
「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。」

代理の三者関係

たとえば、代理人Bが、本人Aを売主とする売買契約を相手方Cと締結した場合、売買契約はBC間ではなく、AC間、つまり本人・相手方間で成立します。

その結果、相手方Cは、本人Aに対して土地の引渡しや登記の移転を請求することができますし、本人Aは、Cに対して売買代金を請求することになるわけです。

4 代理の三面関係

代理では必ず、本人・代理人・相手方という三者間に法律関係が生じます。
三者間の関係は次のようになります。

  • 本人・代理人間
    代理権の授与・存在をめぐる関係
  • 代理人・相手方間
    契約当事者としての関係
  • 本人・相手方間
    契約効果の帰属者としての関係
宅建試験では、これらの関係が複合的に出題されます。

次回から、これらの関係をくわしく見ていくことにしましょう。

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