|更新日 2020.2.21
|公開日 2017.5.10

【問 1】 A、B及びCが、持分を各3分の1とする甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 共有者の協議に基づかないでAから甲土地の占有使用を承認されたDは、Aの持分に基づくものと認められる限度で甲土地を占有使用することができる。

 A、B及びCが甲土地について、Eと賃貸借契約を締結している場合、AとBが合意すれば、Cの合意はなくとも、賃貸借契約を解除することができる。

 A、B及びCは、5年を超えない期間内は甲土地を分割しない旨の契約を締結することができる。

 Aがその持分を放棄した場合には、その持分は所有者のない不動産として、国庫に帰属する。

(平成19年問4)

 解説&正解 

【1】 [共有物の使用]
共有者の1人1人は、共有物の全部について、それぞれの持分に応じた使用をすることができる。また、単独で自由に自己の持分割合を処分(売却、賃貸など)することもできる。
したがって、Aの持分に基づいて甲土地の占有使用を承認されたDは、その限度で甲土地を占有使用することができることになる。あたかも、A自身がその持分に基づいて使用できるのと同じように。
本肢は正しい記述です。

【2】 [賃貸借の解除|管理行為]
賃貸借契約の解除は、共有物の管理行為にあたるから、各共有者の持分価格の過半数で行うことができる。
AとBが合意すれば、持分価格の過半数(2/3)となるため、「Cの合意はなくとも」賃貸借契約を解除することができることになる。
本肢は正しい記述です。

【3】 [共有物の不分割期間]
共有は複雑な法律関係を生じるので、できるだけ早く解消されたほうが望ましい
そのため、いつでも分割請求できるのが原則である。
「分割しない」旨の不分割契約をすることもできるが、その期間は5年を超えることができないとされるのは、長期間の不分割を認めない趣旨なのである。
本肢は正しい記述です。

【4】 [持分の放棄]
共有者の1人が、その「持分を放棄」したときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
Aが共有持分を放棄すれば、甲土地は、BとCの共有となり、共有持分は各2分の1となる。「国庫に帰属」するのではない。
本肢の記述は誤りです。

[正解] 4

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【問 2】 共有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるが、5年を超えない期間内であれば、分割をしない旨の契約をすることができる。

 共有物である現物の分割請求が裁判所になされた場合において、分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は共有物の競売を命じることができる。

 各共有者は、共有物の不法占拠者に対し、妨害排除の請求を単独で行うことができる。

 他の共有者との協議に基づかないで、自己の持分に基づいて1人で現に共有物全部を占有する共有者に対し、他の共有者は単独で自己に対する共有物の明渡しを請求することができる。

(平成23年問3)

 解説&正解 

【1】 [分割請求の自由と不分割期間]
記述のとおり。各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるが、5年を超えない期間内であれば、「分割をしない旨」の不分割契約をすることができる。
本肢は正しい記述です。

【2】 [競売命令]
共有物の分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。
共有物の価値をそこなわないためである。たとえば、名画や骨董品などの分割のように。本肢は正しい記述です。

【3】 [保存行為]
共有物の現状を維持する保存行為は全員の利益になるので、各共有者が単独ですることができる。
共有物の不法占拠者に対する「妨害排除の請求」は保存行為にあたるから、各共有者はその持分に関係なく「単独」ですることができる。
本肢は正しい記述です。

【4】 [他の共有者に対する明渡請求]
判例は、「自己の持分に基づいて」1人で現に共有物全部を占有する共有者は、共有物を占有使用する権限により建物全部を使用しているのであるから、他の共有者は「単独で」自己に対する共有物明渡しを請求することはできない、としている(最判昭41.5.19)
本肢の記述は誤りです。

[正解] 4


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