|更新日 2019.7.14
|公開日 2017.5.10

【問 1】 根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 根抵当権者は、総額が極度額の範囲内であっても、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、その満期となった最後の2年分についてのみ、その根抵当権を行使することができる。

 元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。

 根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがないときは、一定期間が経過した後であっても、担保すべき元本の確定を請求することはできない。

 根抵当権設定者は、元本の確定後であっても、その根抵当権の極度額を、減額することを請求することはできない。

(平成23年 問4)


 解説&正解 

 誤り [被担保債権の範囲]
根抵当権者は、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、極度額の範囲内であれば、「満期となった最後の2年分」に限らず、全額について根抵当権を行使することができる。

 正しい [随伴性の否定]
元本の確定前に、根抵当権者から「被担保債権の範囲に属する」個別の債権を取得しても、根抵当権は移転しないので、その債権について根抵当権を行使することはできない(随伴性の否定)。

 誤り [元本の確定請求]
元本の確定期日を定めなかったときは、根抵当権設定者は、その設定の時から3年を経過すれば、元本の確定請求をすることができる(請求の時から2週間後に確定する)。
これは、根抵当権設定者が、長期間根抵当権に拘束されることを防ぐためである。

 誤り [極度額減額請求権]
元本確定時に存在する債権額が、極度額をかなり下回っている場合などには、「根抵当権設定者」は、元本の確定後においては、根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金、および債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
これにより、残りの担保価値を有効利用することができることになる。

[正解] 2

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【問 2】 AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に抵当権を設定する場合と根抵当権を設定する場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。

 抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には登記が必要であるが、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。

 Bが抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することができるが、Bが根抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することはできない。

 抵当権の場合には、BはCに対する他の債権者の利益のために抵当権の順位を譲渡することができるが、元本の確定前の根抵当権の場合には、Bは根抵当権の順位を譲渡することができない。

(平成26年 問4)


 解説&正解 

 誤り [包括根抵当の禁止]
債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるもの、その他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならない。
「あらゆる範囲」の債権を被担保債権とする包括根抵当は許されない

 誤り [対抗要件]
普通抵当権の設定も、根抵当権の設定も第三者に対抗する場合には、登記が必要である。「債務者の異議を留めない承諾」は関係ない。

 誤り [催告の抗弁権]
抵当権実行の場合にも、根抵当権実行の場合にも、物上保証人Aは「まずCに催告するように請求する」ことはできない。

 正しい [順位の譲渡]
元本の確定前においては、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、根抵当権を譲渡・放棄したり、その順位を譲渡・放棄することはできない。
普通抵当権に認められている抵当権の譲渡・放棄、その順位の譲渡・放棄などの処分は、転抵当を除いては、根抵当権には適用されない。

[正解] 1


(この項 終わり)