|更新日 2020.5.20
|公開日 2017.3.14

【問 1】 民法上の委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。

 委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。

 委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。

 委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。
(平成18年問9)

 解説&正解 
【1】 [不利な時期の解除]
委任契約は、報酬の有無に関係なく、双方からいつでも解除することができる。
ただし「相手方に不利な時期」に解除したときは、やむを得ない事由がある場合を除いて、相手方の損害を賠償しなければならない。
本肢は正しい記述です。

※ 新民法は、委任者が「受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したとき」にも、受任者の損害を賠償しなければならないとしている。

【2】 [委任の終了事由]
委任契約は、委任者または受任者が「破産手続開始の決定」を受ければ終了する。
本肢は正しい記述です。

※ このほかに、①当事者の死亡、②「受任者」が後見開始の審判を受けたこと、によっても終了する。

【3】 [緊急処分義務]
委任者の死亡により委任契約は当然に終了するから、受任者は、委任者の相続人から「終了についての承諾を得るときまで」処理義務を負うことはない。
ただ、急迫の事情があるときには、引き続き事務処理を行うなど、委任者の相続人等が委任事務を処理できる状態になるまで必要な処分をしなければならないのである緊急処分義務
事務処理を放置して、委任者側に不測の損害を与えないようにするためである。
本肢の記述は誤りです。

【4】 [委任終了の対抗要件]
委任契約の終了事由は、
① これを相手方に通知したとき、
または、
② 相手方がこれを知っていたとき
でなければ、相手方に対抗することができない。
したがって、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負うことになる。
本肢は正しい記述です。

[正解] 3

厳選民法過去問|テーマ一覧