|更新日 2019.06.05
|公開日 2017.12.23


 1 債権法改正について 
平成29年(2017年)6月2日に公布された民法の一部を改正する法律(債権法改正)の施行日が、下記のとおり決まりました。

施行日
2020年(令和2年)4月1日

くわしくは 法務省の記事 をご覧ください。

民法改正施行日

例年10月に実施される宅建試験は、その年の「4月1日現在施行されている規定」に基づいて出題されます。

ちなみに、平成30年度の宅建試験問題用紙の第1ページには、「3 適用法令」として、「問題の中の法令に関する部分は、平成30年4月1日現在施行されている規定に基づいて出題されています」と明記されています。
この1文は例年どおりです。

つまり、2019年10月に実施される試験は、2019年(平成31年)4月1日現在で施行されている現行民法で出題されます。
現行民法で試験される「最後の年」となるわけです。

改正民法は「2020年(令和2年)4月1日から施行」されますので、その7ヵ月後の10月に実施される宅建試験は、改正民法に基づいて出題されます。

改正法施行までの適用法令は下記のとおり。

・2019(令和1)年 現行民法から出題
2020(令和2)年 改正民法から出題


改正法施行はオリンピック・パラリンピックの年です。
明治以来、約120年ぶりとなる「債権関係」を中心とした今回の大改正は、ルールの現代化に対応すべく判例・学説の見解が多く採り入れられています。
「100年に1度の大改正」といわれるように改正項目は実に約200項目にも及び、現行民法にくらべ、より具体的かつ詳細な規定になっています。

下記に、新設条文と錯誤(95条)、債権譲渡(466条)の改正法をあげていますので、ご覧ください。


 2 相続法改正について 
平成30年(2018年)7月6日に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(相続法)が成立し、7月13日に公布されました。

民法「相続法」の分野については、昭和55年以来、大きな見直しはありませんでしたが、約40年ぶりに変わる今回の改正は、急速に進展している高齢化社会に対応するものです。

改正相続法は、一部の規定を除き、2019年(令和1年)7月1日から施行されます。

施行期日は以下のとおりで、段階的に施行されます。
① 原則的な施行期日
2019年(令和1年)7月1日
② 自筆証書遺言の方式緩和
2019年(平成31年)1月13日
③ 配偶者居住権・同短期居住権の新設等
2020年(令和2年)4月1日

2019年の試験範囲となるのは、②「自筆証書遺言の方式緩和(改正968条2項)です。
2020年(令和2年)の試験は、①②③すべてが試験範囲となりますので、「債権法」とあわせて相当量の勉強が課せられることとなります。

「相続法の改正」については法務省のサイトをご覧ください。

「自筆証書遺言の方式緩和」についてはこちらのPDFをご覧ください。
 自筆証書遺言に関する見直し


今後は確実に民法の勉強量が増えることになります。

改正民法の施行日

2020(令和2)年からの民法の勉強は大変です。ぜひとも2019(令和1)に合格を果たされますよう、強くお勧めします。
※ ちなみに今年不合格になると、いま使っている『テキスト』は、もう使い物にならなくなります。新しく買い替えなければなりません。消費税増税の影響もあってテキスト代も今年よりは値上がりするでしょう。

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新設
 意思能力|3条の2 
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。


 錯 誤|95条 
 現行民法 
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 改正民法 
 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。


 債権譲渡|466条 
 現行民法 
 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

 改正民法 
 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
新設  前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
新設  前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。

新設
466条の2(譲渡制限の債権に係る債務者の供託)
 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債務の履行地が債権者の現在の住所により定まる場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。次条において同。)の供託所に供託することができる。
 前項の規定により供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人及び譲受人に供託の通知をしなければならない。
 第一項の規定により供託をした金銭は、譲受人に限り、還付を請求することができる。

新設
466条の6(将来債権の譲渡性)
 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。
 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。
 前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定による通知をし、又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第466条第3項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。


新設
 契約締結の自由・内容の自由|521条 
 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。


(この項終わり)