|公開日 2017.6.23

【平成7年 問3】の問題です。

【問 題】 AのBに対する債権 (連帯保証人C) の時効の中断に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 AがCに対して訴訟により弁済を求めた場合、Bの債務については、時効中断の効力は生じない。

 AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は、時効中断の効力は生じない。

 AがBに対して訴訟により弁済を求めた場合、Cの債務についても、時効中断の効力を生じる。

 BがAに対して債務の承認をした場合、Bが被保佐人であって、保佐人の同意を得ていなくても、時効中断の効力を生じる。


[解説&正解]
連帯保証に関するやさしい、できて当たり前みたいな基本問題です。
かならず正解するようにしましょう。

【選択肢1】
〔AのBに対する債権 (連帯保証人C) の時効の中断に関しては〕AがCに対して訴訟により弁済を求めた場合、Bの債務については、時効中断の効力は生じない。

(解 説)
連帯保証には、連帯債務における請求の絶対効が準用されますので、連帯保証人Cに対して裁判上の請求をすれば、主たる債務者Bに対して請求したのと同じ効果を生じ、Bの債務についても時効中断の効力が生じます。
本肢は誤った記述です。

[テーマ] 連帯保証人について生じた事由
[条 文] 458条、434条

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【選択肢2】
〔AのBに対する債権 (連帯保証人C) の時効の中断に関しては〕AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は、時効中断の効力は生じない。

(解 説)
「訴訟により弁済を求めて」、つまり裁判上の請求を起こしても、その「訴えが却下」された場合には、時効中断の効力を生じません。
本肢は正しい記述です。

[テーマ] 訴えの却下と時効中断
[条 文] 149条

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【選択肢3】
〔AのBに対する債権 (連帯保証人C) の時効の中断に関しては〕AがBに対して訴訟により弁済を求めた場合、Cの債務についても、時効中断の効力を生じる。

(解 説)
連帯保証はもともと保証債務ですから、主たる債務者Bに対して「訴訟により弁済を求める」など、履行の請求その他すべて時効の中断事由は、保証債務の付従性により連帯保証人Cの債務についても効力を生じます。
本肢は正しい記述です。

[テーマ] 主たる債務者について生じた事由
[判 例] 大判昭5.10.31

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【選択肢4】
〔AのBに対する債権 (連帯保証人C) の時効の中断に関しては〕BがAに対して債務の承認をした場合、Bが被保佐人であって、保佐人の同意を得ていなくても、時効中断の効力を生じる。

(解 説)
被保佐人Bが、保佐人の同意なしに単独で債務を承認しても、時効中断の効力を生じます。
債務の承認は意思表示ではなく、単に権利の存在を認識して表示する行為にすぎませんから、保佐人の同意は不要なのです。
本肢は正しい記述です。

※ 制限行為能力者の制度は、制限行為能力者の法律行為・意思表示を補完する制度であることを思い出しましょう。

[テーマ] 被保佐人の債務の承認
[判 例] 大判大7.10.9

以上より、正解は[1]

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[しっかり読んでおこう重要条文]

*149条(裁判上の請求)
裁判上の請求は、訴えの却下、または取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

*434条(1人に対する履行請求)
連帯債務者の1人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。

*458条(連帯保証人について生じた事由の効力)
第434条から第440条までの規定(絶対的効力事由)は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。

[ワンランク・アップ]

主たる債務者と連帯保証人について生じた事由の関係
連帯保証には、連帯債務の規定が準用されます。
しかし、連帯保証は保証債務であって、主たる債務を担保するものですから、保証債務と同様に負担部分がありません
連帯債務の規定が準用されるといっても、負担部分を前提とする規定は適用されないのです。

連帯保証人に生じた事由については、連帯債務における、①請求、②更改、③混同、④相殺、⑤免除、⑥時効のうち、負担部分を前提とする、④相殺、⑤免除、⑥時効の規定は準用する余地がないわけです。
結局のところ、①請求、②更改、③混同が準用され、これらについては、主たる債務者に対してもその効力を生じます。

*主たる債務者に生じた事由
 → すべて連帯保証人にも効力が及ぶ(保証債務の付従性)

*連帯保証人に生じた事由(連帯債務準用)
 → 相対効の原則と(請求、更改、混同)のみ、主たる債務者に及ぶ



(この項終わり)