|公開日 2017.9.24|最終更新日 2017.12.06

■1問出題項目
 [買戻し][不当利得][先取特権][代物弁済][契約の終了]
 [地役権][組合契約][民法の指導原理][詐害行為取消権]
 [注意義務][債権の発生原因][権利の取得・消滅]

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[買戻し]

【平成3年 問8】
不動産の買戻しに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 買戻しをするには、買主の支払った代金及び契約費用を返還すればよく、必要費及び有益費を支払わなければ買戻しをなし得ない旨の特約は、無効となる。

 買戻しの期間は、10年を超えることができない。

 買戻しの期間は、後日これを伸長することができない。

 買戻しの特約は、売買の登記後においても登記することができ、登記をすれば第三者に対しても効力を生ずる。


[不当利得]

【平成9年 問7】
不当利得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 A所有の不動産の登記がB所有名義となっているため固定資産税がBに課税され、Bが自己に納税義務がないことを知らずに税金を納付した場合、Bは、Aに対し不当利得としてその金額を請求することはできない。

 建物の所有者Cが、公序良俗に反する目的でその建物をDに贈与し、その引渡し及び登記の移転が不法原因給付である場合、CがDに対しその返還を求めることはできないが、その建物の所有権自体は引き続きCに帰属する。

 Eは、F所有のブルドーザーを貸借中のGから依頼されて、それを修理したが、Gが倒産したため修理代 10万円の取立てができない場合、ブルドーザーの返還を受けたFに対し不当利得として 10万円の請求をすることができる。

 土地を購入したHが、その購入資金の出所を税務署から追及されることをおそれて、Iの所有名義に登記し土地を引き渡した場合は不法原因給付であるから、Hは、Iに対しその登記の抹消と土地の返還を求めることはできない。


[先取特権]

【平成12年 問3】
Aが、Bに賃貸している建物の賃料債権の先取特権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 Aは、賃貸した建物内にあるB所有の家具類だけでなく、Bが自己使用のため建物内に持ち込んだB所有の時計や宝石類に対しても、先取特権を有する。

 Bが、建物をCに転貸したときには、Aは、Cが建物内に所有する動産に対しても、先取特権を有する。

 Bがその建物内のB所有の動産をDに売却したときは、Aは、その代金債権に対して、払渡し前に差押えをしないで、先取特権を行使することができる。

 AがBから敷金を預かっている場合には、Aは、賃料債権の額から敷金を差し引いた残額の部分についてのみ先取特権を有する。


[代物弁済]

【平成12年 問9】
Aが、Bに対する金銭債務について、代物弁済をする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 Aが、不動産の所有権をもって代物弁済の目的とする場合、Bへの所有権移転登記その他第三者に対する対抗要件を具備するため必要な行為を完了しなければ、弁済としての効力は生じない。

 Aの提供する不動産の価格が 1,000万円で、Bに対する金銭債務が 950万円である場合、AB間で清算の取決めをしなければ、代物弁済はできない。

 Aが、Bに対する金銭債務の弁済に代えて、Cに対するAの金銭債権を譲渡する場合に、その金銭債権の弁済期が未到来のものであるときは、弁済としての効力は生じない。

 Bは、Aから代物弁済として不動産の所有権の移転を受けた後は、その不動産に隠れた瑕疵(かし)があっても、Aの責任を追及することはできない。


[契約の終了]

【平成13年 問6】
契約当事者が死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 委任契約において、委任者又は受任者が死亡した場合、委任契約は終了する。

 使用貸借契約において、貸主又は借主が死亡した場合、使用貸借契約は効力を失う。

 組合契約において、組合員が死亡した場合、当該組合員は組合契約から脱退する。

 定期贈与契約(定期の給付を目的とする贈与契約)において、贈与者又は受贈者が死亡した場合、定期贈与契約は効力を失う。


[地役権]

【平成14年 問4】
Aは、自己所有の甲土地の一部につき、通行目的で、隣地乙土地の便益に供する通行地役権設定契約(地役権の付従性について別段の定めはない。)を、乙土地所有者Bと締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

 この通行地役権の設定登記をしないまま、Aが、甲土地をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した場合、Cは、通路として継続的に使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、通行地役権があることを知っていたときでも、Bに対して、常にこの通行地役権を否定することができる。

 この通行地役権の設定登記を行った後、Bが、乙土地をDに譲渡し、乙土地の所有権移転登記を経由した場合、Dは、この通行地役権が自己に移転したことをAに対して主張できる。

 Bは、この通行地役権を、乙土地と分離して、単独で第三者に売却することができる。

 Bが、契約で認められた部分ではない甲土地の部分を、継続かつ表現の形で、乙土地の通行の便益のために利用していた場合でも、契約で認められていない部分については、通行地役権を時効取得することはできない。


[組合契約]

【平成16年 問11】
AはBと、それぞれ 1,000万円ずつ出資して、共同で事業を営むことを目的として民法上の組合契約を締結した。この場合、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 AとBは、出資の価額が均等なので、損益分配の割合も均等に定めなければならない。

 組合への出資金で不動産を購入し組合財産とした場合、この組合財産は総組合員の共有に属する。

 組合財産たる建物の賃借人は、組合に対する賃料支払債務と、組合員たるAに対する債権とを相殺することができる。

 組合に対し貸付金債権を取得した債権者は、組合財産につき権利行使できるが、組合員個人の財産に対しては権利行使できない。


[民法の指導原理]

【平成18年 問1】
次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 契約締結交渉中の一方の当事者が契約交渉を打ち切ったとしても、契約締結に至っていない契約準備段階である以上、損害賠償責任が発生することはない。

 民法第1条第2項が規定する信義誠実の原則は、契約解釈の際の基準であり、信義誠実の原則に反しても、権利の行使や義務の履行そのものは制約を受けない。

 時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。

 所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合には、妨害排除請求が認められることはない。


[詐害行為取消権]

【平成20年 問5】
Aは、Bに対する債権者であるが、Bが債務超過の状態にあるにもかかわらずB所有の甲土地をCに売却し所有権移転登記を経たので、民法第424条に基づく詐害行為取消権(以下この問において「取消権」という。)の行使を考えている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 対象となる詐害行為が行われた時点において、AのBに対する債権が、発生済みでかつ履行期が到来している場合でなければ、Aは取消権を行使できない。

 Cが甲土地の購入時においてこの購入がBの債権者を害すべきことを知らなかったとしても、Bが売却時においてこの売却がBの債権者を害することを意図していた場合は、Aは取消権を行使できる。

 Bが甲土地の売却においてCから相当の対価を取得しているときは、Aは取消権を行使できない。

 Aが取消権を行使できる場合でも、AはCに、直接自分に対して甲土地の所有権移転登記をするよう求めることはできない。


[注意義務]

【平成20年 問7】
注意義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 ある物を借り受けた者は、無償で借り受けた場合も、賃料を支払う約束で借り受けた場合も、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

 委託の受任者は、報酬を受けて受任する場合も、無報酬で受任する場合も、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。

 商人ではない受寄者は、報酬を受けて寄託を受ける場合も、無報酬で寄託を受ける場合も、自己の財産と同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う。

 相続人は、相続放棄前はもちろん、相続放棄をした場合も、放棄によって相続人となった者が管理を始めるまでは、固有財産におけると同一の注意をもって相続財産を管理しなければならない。


[債権の発生原因]

【平成23年 問8】
AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の記述のうち、AのBに対する債権が契約に基づいて発生するものはどれか。

 青信号で横断歩道を歩いていたAが、赤信号を無視した自動車にはねられてケガをした。運転者はBに雇用されていて、勤務時間中、仕事のために自動車を運転していた。Aが治療費として病院に支払った 50万円の支払いをBに対して求める場合。

 Aは、B所有の甲不動産の売却について、売買契約が締結されるに至った場合には売買代金の2%の報酬の支払いを受けるとして、Bから買主のあっせんの依頼を受けた。Aがあっせんした買主Cとの間で 1,000万円の売買契約が成立したのでAがBに対して報酬として 20万円の支払いを求める場合。

 Bは、B所有の乙不動産をAに売却し、代金 1,000万円の受領と同時に登記を移転して引渡しも終えていた。しかし、Bは、錯誤を理由に売買契約は無効であるとして、乙不動産を返還し、登記を戻すようにAに求めた。これに対し、AがBに対して、1,000万円(代金相当額)の返還を求める場合。

 BはDに 200万円の借金があり、その返済に困っているのを見かねたAが、Bから頼まれたわけではないが、Bに代わってDに対して借金の返済を行った。Bの意思に反する弁済ではないとして、AがDに支払った 200万円につき、AがBに対して支払いを求める場合。


[権利の取得・消滅]

【平成26年 問3】
権利の取得や消滅に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 売買契約に基づいて土地の引渡しを受け、平穏に、かつ、公然と当該土地の占有を始めた買主は、当該土地が売主の所有物でなくても、売主が無権利者であることにつき善意で無過失であれば、即時に当該不動産の所有権を取得する。

 所有権は、権利を行使することができる時から 20年間行使しないときは消滅し、その目的物は国庫に帰属する。

 買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。

 20年間、平穏に、かつ、公然と他人が所有する土地を占有した者は、占有取得の原因たる事実のいかんにかかわらず、当該土地の所有権を取得する。


(この項終わり)