|公開日 2017.9.23

■2問出題項目
 [占有権][留置権][質権]
 [金銭債権][債権者代位権]

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[占有権]

 ■出題年|全2問  (平成14年 問3)(平成27年 問5)

【平成14年 問3】
売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。

 Bが建物占有中に、地震によって玄関のドアが大破したので修繕し、その費用を負担した場合でも、BはCに対してその負担額の償還を請求することはできない。

 Bは、占有中の建物の一部をDに使用させ賃料を受領した場合、その受領額をCに償還しなければならない。

 Cが暴力によって、Bから建物の占有を奪った場合、BはCに占有回収の訴えを提起できるが、CはBに対抗できる所有権があるので占有回収の訴えについては敗訴することはない。


【平成27年 問5】
占有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 甲建物の所有者Aが、甲建物の隣家に居住し、甲建物の裏口を常に監視して第三者の侵入を制止していたとしても、甲建物に錠をかけてその鍵を所持しない限り、Aが甲建物を占有しているとはいえない。

 乙土地の所有者の相続人Bが、乙土地上の建物に居住しているCに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Cは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。

 丙土地の占有を代理しているDは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。

 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。


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[留置権]

 ■出題年|全2問  (平成9年 問3)(平成25年 問4)

【平成9年 問3】
建物の賃貸借契約における賃借人Aに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 Aが、建物賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、Aは、その必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。

 Aの債務不履行により建物の賃貸借契約が解除された後に、Aが建物の修繕のため必要費を支出した場合、Aは、その必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。

 Aは、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、当該建物に引き続き居住したとき、それによる利益(賃料相当額)は返還しなければならない。

 Aは、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、さらに当該建物の修繕のため必要費を支出したとき、その必要費のためにも留置権を行使できる。


【平成25年 問4】
留置権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て建物に付加した造作の買取請求をした場合、賃借人は、造作買取代金の支払を受けるまで、当該建物を留置することができる。

 不動産が二重に売買され、第2の買主が先に所有権移転登記を備えたため、第1の買主が所有権を取得できなくなった場合、第1の買主は、損害賠償を受けるまで当該不動産を留置することができる。

 建物の賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除された後に、賃借人が建物に関して有益費を支出した場合、賃借人は、有益費の償還を受けるまで当該建物を留置することができる。

 建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできない。


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[質 権]

 ■出題年|全2問  (平成10年 問3)(平成14年 問5)

【平成10年 問3】
建物の賃借人Aは、賃貸人Bに対して有している建物賃貸借契約上の敷金返還請求権につき、Cに対するAの金銭債務の担保として質権を設定することとし、Bの同意を得た。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

 Aは、建物賃貸借契約が終了し、AからBに対する建物の明渡しが完了した後でなければ、敷金返還請求権について質権を設定することはできない。

 Cが質権の設定を受けた場合、確定日付のある証書によるAからBへの通知又はBの承諾がないときでも、Cは、AB間の建物賃貸借契約証書及びAのBに対する敷金預託を証する書面の交付を受けている限り、その質権の設定をAの他の債権者に対抗することができる。

 Cが質権の設定を受けた後、質権の実行かつ敷金の返還請求ができることとなった場合、Cは、Aの承諾を得ることなく、敷金返還請求権に基づきBから直接取立てを行うことができる。

 Cが、質権設定を受けた後その実行ができることとなった場合で、Bに対し質権を実行する旨の通知をしたとき、Bは、その通知受領後Aの明渡し完了前に発生する賃料相当損害金については敷金から充当することができなくなる。


【平成14年 問5】
Aは、Bから建物を賃借し、Bに 3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

 Cは、Bの承諾が書面によるものであれば、確定日付を得ていなくても、この質権設定を、B以外の第三者に対しても対抗することができる。

 CのAに対する利息請求権は、常に満期となった最後の2年分についてのみ、この質権の被担保債権となる。

 CのAに対する債権の弁済期の前に、この敷金返還請求権の弁済期が到来した場合は、Cは、Bに対し、当該敷金を供託するよう請求できる。

 CのAに対する債権の弁済期が到来した場合、Cは、Bに対し、Bがこの質権設定を承諾したことを根拠に、この敷金返還請求権の弁済期の前に、当該敷金を直ちにCに交付するよう請求できる。


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[金銭債権 ]

 ■出題年|全2問  (平成2年 問3)(平成3年 問9)

【平成2年 問3】
AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 AがBに対する貸金債権をCに譲渡した場合、Cは、その旨をBに確定日付のある証書で通知しなければ、第三者に対抗することができない。

 Aの貸金債権の消滅時効は、Aの催告の有無にかかわらず、貸し付けたときから相当の期間を経過したときから起算される。

 返済の場所を定めていない場合において、Aが住所を移転したときは、Bは、Aの新たな住所で返済しなければならない。

 Bは、Aにいつでも返済することができるが、Aが返済を請求するには、相当の期間を定めて催告しなければならない。


【平成3年 問9】
AのBに対する貸金に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 AB間で利率について別段の定めがないときは、Aは、利息を請求することができない。

 AB間で返済時期について別段の定めがないときは、Aは、相当の期間を定めて、返済を催告することができる。

 AB間で返済場所について別段の定めがないときは、Bは、Aの住所で返済しなければならない。

 Bが返済をしようとしても、Aが受取証書を交付しないときは、Bは、その交付がなされるまで、返済を拒むことができる。


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[債権者代位権 ]

 ■出題年|全2問  (平成7年 問5)(平成22年 問7) 

【平成7年 問5】
債権者代位権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 Aが妻Bに不動産を贈与した場合、Aの債権者Cは、Aの夫婦間の契約取消権を代位行使することができる。

 DのEに対する債権の弁済期が到来していない場合、自己の債権を保全するため、Dは、裁判上の代位によりEのFに対する債権を行使することができる。

 土地がGからH、HからIへと譲渡された場合において、登記がなおGにあるときは、Iは、HのGに対する登記請求権を代位行使することができる。

 Jの所有地をKが賃借している場合において、Lが不法占拠したときは、Kは、Jの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使することができる。


【平成22年 問7】
民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 債務者が既に自ら権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。

 未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保存登記手続を行うことができる場合がある。

 建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占有者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。

 抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。


(この項終わり)