|公開日 2017.9.06

■出題年|全10問
 (平成02年 問8)(平成04年 問8)(平成05年 問7)
 (平成08年 問9)(平成10年 問8)(平成14年 問8)
 (平成16年 問9)(平成17年 問9)(平成21年 問8)
 (平成22年 問9)

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【平成2年 問8】
契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約によって、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、その売買契約を解除することができる。

 売主が契約の当時その売却した権利が自己に属しないことを知らない場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して契約を解除することができる。

 無償の委任契約においては、各当事者は、いつでも契約を解除することができ、その解除が相手方のために不利な時期でなければ、その損害を賠償する必要はない。

 請負契約において請負人が仕事を完成しない間は、請負人は、損害を賠償して契約を解除することができる。


【平成4年 問8】
居住用不動産の売買契約の解除又は取消しに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 当該不動産に隠れた瑕疵(かし)がある場合、居住の用に支障がなくても、買主は、当該契約を解除することができる。

 買主が支払期日に代金を支払わない場合、売主は、不動産の引渡しについて履行の提供をしなくても、催告をすれば、当該契約を解除することができる。

 買主のローン不成立のときは契約を解除することができる旨の定めが当該契約にある場合において、ローンが不成立となったときは、売主がその事実を知っていても、買主が解除の意思表示をしない限り、契約は解除されない。

 当該契約の締結は第三者の詐欺によるものであったとして、買主が契約を取り消した場合、買主は、まず登記の抹消手続を終えなければ、代金返還を請求することができない。


【平成5年 問7】
Aがその所有する土地建物をBに売却する契約をBと締結したが、その後Bが資金計画に支障を来し、Aが履行の提供をしても、Bが残代金の支払いをしないため、Aが契約を解除しようとする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 Aは、Bに対し相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内にBの履行がないときは、その契約を解除し、あわせて損害賠償の請求をすることができる。

 AがBに対し履行を催告した場合において、その催告期間が不相当に短いときでも、催告の時より起算して客観的に相当の期間を経過して、Bの履行がないときは、Aは、改めて催告しなくても、その契約を解除することができる。

 Aは、Bに対して契約を解除したときは、その後これを撤回することはできない。

 AがBに対し相当の期間を定めて履行を催告した際、あわせて「催告期間内に履行がないときは、改めて解除の意思表示をしなくても、契約を解除する」との意思表示をし、かつ、その期間内にBの履行がない場合でも、Aがその契約を解除するには、改めて解除の意思表示をする必要がある。


【平成8年 問9】
Aが、B所有の建物を代金 8,000万円で買い受け、即日 3,000万円を支払った場合で、残金は3ヵ月後所有権移転登記及び引渡しと引換えに支払う旨の約定があるときに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 Aは、履行期前でも、Bに残金を提供して建物の所有権移転登記及び引渡しを請求し、Bがこれに応じない場合、売買契約を解除することができる。

 Bが、履行期に建物の所有権移転登記はしたが、引渡しをしない場合、特別の合意がない限り、Aは、少なくとも残金の半額 2,500万円を支払わなければならない。

 Bが、Aの代金支払いの受領を拒否してはいないが、履行期になっても建物の所有権移転登記及び引渡しをしない場合、Aは、Bに催告するだけで売買契約を解除することができる。

 Aが、履行期に残金を提供し、相当の期間を定めて建物の引渡しを請求したにもかかわらず、Bが建物の引渡しをしないので、AがCの建物を賃借せざるを得なかった場合、Aは、売買契約の解除のほかに、損害賠償をBに請求することができる。


【平成10年 問8】
Aが、Bに建物を 3,000万円で売却した場合の契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 Aが定められた履行期に引渡しをしない場合、Bは、3,000万円の提供をしないで、Aに対して履行の催告をしたうえ契約を解除できる。

 Bが建物の引渡しを受けて入居したが、2ヵ月経過後契約が解除された場合、Bは、Aに建物の返還とともに、2ヵ月分の使用料相当額を支払う必要がある。

 Bが代金を支払った後Aが引渡しをしないうちに、Aの過失で建物が焼失した場合、Bは、Aに対し契約を解除して、代金の返還、その利息の支払い、引渡し不能による損害賠償の各請求をすることができる。

 特約でBに留保された解除権の行使に期間の定めのない場合、Aが、Bに対し相当の期間内に解除するかどうか確答すべき旨を催告し、その期間内に解除の通知を受けなかったとき、Bは、契約を解除できなくなる。


【平成14年 問8】
Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として 1,000万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

 Aは、この売買契約を解除せず、Bに対し、残代金の支払を請求し続けることができる。

 Aは、この売買契約を解除するとともに、Bに対し、売買契約締結後解除されるまでの土地の値下がりによる損害を理由として、賠償請求できる。

 Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合で、Cがやはり土地の値下がりを理由としてBに代金の支払をしないとき、Bはこれを理由として、AB間の売買契約を解除することはできない。

 Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合、Aは、AB間の売買契約を解除しても、Cのこの土地を取得する権利を害することはできない。


【平成16年 問9 】
AはBに甲建物を売却し、AからBに対する所有権移転登記がなされた。AB間の売買契約の解除と第三者との関係に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 BがBの債権者Cとの間で甲建物につき抵当権設定契約を締結し、その設定登記をした後、AがAB間の売買契約を適法に解除した場合、Aはその抵当権の消滅をCに主張できない。

 Bが甲建物をDに賃貸し引渡しも終えた後、AがAB間の売買契約を適法に解除した場合、Aはこの賃借権の消滅をDに主張できる。

 BがBの債権者Eとの間で甲建物につき抵当権設定契約を締結したが、その設定登記をする前に、AがAB間の売買契約を適法に解除し、その旨をEに通知した場合、BE間の抵当権設定契約は無効となり、Eの抵当権は消滅する。

 AがAB間の売買契約を適法に解除したが、AからBに対する甲建物の所有権移転登記を抹消する前に、Bが甲建物をFに賃貸し引渡しも終えた場合、Aは、適法な解除後に設定されたこの賃借権の消滅をFに主張できる。


【平成17年 問9】
売買契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 買主が、売主以外の第三者の所有物であることを知りつつ売買契約を締結し、売主が売却した当該目的物の所有権を取得して買主に移転することができない場合には、買主は売買契約の解除はできるが、損害賠償請求はできない。

 売主が、買主の代金不払を理由として売買契約を解除した場合には、売買契約はさかのぼって消滅するので、売主は買主に対して損害賠償請求はできない。

 買主が、抵当権が存在していることを知りつつ不動産の売買契約を締結し、当該抵当権の行使によって買主が所有権を失った場合には、買主は、売買契約の解除はできるが、売主に対して損害賠償請求はできない。

 買主が、売主に対して手付金を支払っていた場合には、売主は、自らが売買契約の履行に着手するまでは、買主が履行に着手していても、手付金の倍額を買主に支払うことによって、売買契約を解除することができる。


【平成21年 問8】
売主Aは、買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結し、代金の3分の2の支払と引換えに所有権移転登記手続と引渡しを行った。その後、Bが残代金を支払わないので、Aは適法に甲土地の売買契約を解除した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 Aの解除前に、BがCに甲土地を売却し、BからCに対する所有権移転登記がなされているときは、BのAに対する代金債務につき不履行があることをCが知っていた場合においても、Aは解除に基づく甲土地の所有権をCに対して主張できない。

 Bは、甲土地を現状有姿の状態でAに返還し、かつ、移転登記を抹消すれば、引渡しを受けていた間に甲土地を貸駐車場として収益を上げていたときでも、Aに対してその利益を償還すべき義務はない。

 Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。

 Aは、Bが契約解除後遅滞なく原状回復義務を履行すれば、契約締結後原状回復義務履行時までの間に甲土地の価格が下落して損害を被った場合でも、Bに対して損害賠償を請求することはできない。


【平成22年 問9】
契約の解除に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか 。

(判決文)
 同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった2個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。

 同一当事者間で甲契約と乙契約がなされても、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていないのであれば、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除できるわけではない。

 同一当事者間で甲契約と乙契約がなされた場合、甲契約の債務が履行されることが乙契約の目的の達成に必須であると乙契約の契約書に表示されていたときに限り、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。

 同一当事者間で甲契約と乙契約がなされ、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていても、そもそも甲契約を解除することができないような付随的義務の不履行があるだけでは、乙契約も解除することはできない。

 同一当事者間で甲契約(スポーツクラブ会員権契約)と同時に乙契約(リゾートマンションの区分所有権の売買契約)が締結された場合に、甲契約の内容たる屋内プールの完成及び供用に遅延があると、この履行遅延を理由として乙契約を民法第541条により解除できる場合がある。


(この項終わり)