|公開日 2017.5.10|更新日 2018.6.19

1 過去問は10倍の価値がある

1 合格者に共通の攻略法──過去問の反復練習

宅建試験に合格するための確実な攻略法は、「過去問題集とテキストを繰り返しやること」のひと言に尽きます。とくに過去問の反復練習は、長年にわたり大多数の合格者によって実証されてきた共通の攻略法です。

過去問練習は、すべての国家試験、各種の資格試験に共通の攻略法で、過去問練習を無視した合格法はなく、宅建試験も決して例外ではないのです。

独学だろうと、資格専門校や通信講座を利用しようと、勉強法に大きな違いはありません。
みんな同じような「テキスト」と「過去問題集」をやっていますが、合格する人は10人中2人もいないのが現実です。
合格しなかった人の「テキスト」や「過去問題集」が悪いからではありません。
攻略法が間違っていたのです。

合格に必要とされる正確な知識は、テキストを読むだけではなかなか覚えることはできず、どんな知識も練習せずに身につけることは困難です。

繰り返し練習することによって、テキストで理解したつもりが、そうでなかったことがわかり、こうしてはじめて「知識を正確にする」ことができます。
「知識を正確にする」ことが合格のカギなのです。

本試験に出題された過去問は、選択肢の1肢1肢がすべて重要論点です。
過去問はあらゆる論点が缶詰になった「論点の宝庫」ですから、これこそまさに「最良のテキスト」といえるのです。

過去問はテキストよりも10倍の価値があるのです。

2 テキストの目的

テキストを読む最終目的は、民法や宅建業法の内容を理解することではなく、知識を正確にして本試験問題に正解することにあります。

「過去問=本試験問題」が正解できなければ、どんな「テキスト」も「講座」も「攻略法」も役には立ちません。過去問練習はテキストを理解するために読むのではなく、「過去問を正解する」ためにだけ読むのです。

3 試験委員も調べている──過去問は繰り返し出題

過去問は試験委員も念入りに調べています。合格者数を例年均一にしなければならない政策上の必要から、あまりやさしくすることも難しくすることもできないため、過去に出題された試験問題を調べて、それを参考に新しい問題を作成しています。
類似問題が多いのもこのためです。

2 決定的なメリット

過去問練習には、次のような決定的なメリットがあります。

1 問題レベルがわかる

合格するにはどの程度の知識が要求されているかがわかります。
暗記で簡単に点がとれる項目と、暗記だけでは点がとれない項目が一目瞭然ですから、ムダに苦労しないで学習することができます。

2 出題傾向がわかる

どんな項目がよく出題されて、どんな項目があまり出題されないのか、過去問練習をすることによってその区別がついてきますので、重要なポイントを見逃すことがなく、効率的な学習ができます。

初心者の方や独学の人は、どうしても重要項目とそうでない項目の判断がつかず、どの項目にも同じように力を注いでしまって、時間とエネルギーを浪費してしまいます。

3 論点(何が問われているか)がわかる

20数年間の過去問をみれば、過去問を修正した問題がいたる所で出題されています。同じ論点の過去問が修正されて類似の記述でくり返し出題されていますので、的確な受験対策が立てられます。

3 過去問練習で合格するコツ

1 反復練習の回数が合否を決定──1回や2回では足りない

合格した人は「過去問題集」を何度も何度も繰り返し練習しています。
宅建試験は「テキスト」を1~2回読んで、「過去問題集」を1~2回練習して合格できる試験ではありません。
最低でも3回は必要です。4~5回繰り返せばさらに合格は近くなるでしょう。

10月の本試験までひたすら過去問を解いて解いて、絶対にミスしなくなるまで何度も反復しましょう。
間違った個所は必ず「テキスト」で確認し、なぜ間違ったのか、どこが理解できていないのか、この点をハッキリさせる作業が欠かせません。

勉強したことを「正確に記憶する方法」はただ1つ、「繰り返す」しかありません。繰り返せば繰り返すほど合格に近づいていきます。

2 合格を左右する問題集とは

「過去問題集」の生命線は、選別された良質の問題と適切な問題数、そして解説にあります。とくに解説は、初心者にもわかりやすくていねいに記述されているか、論点が明確に指摘されているか、簡単な記述ですませていないか、などが重要です。

学習の進度に応じて理解力をチェックしていく必要がありますから、「過去問題集」は、項目別・論点別に編集されたものが最適でしょう。

3 なるべく早期に練習を

テキストは最初はわからないところがあっても気にしない。とりあえず「?」マークをつけておいて、とにかく先に進んでいく。勉強していくうちに、だんだんと理解できてきます。

テキストをある程度読み込んだら、たとえば民法の「行為能力」「意思表示」など区切りのいい項目で早速、過去問練習にとりかかり、どの程度理解できているか理解力をチェックします。

過去問で間違った個所はそのまま放置しないで、これを1つ1つ解決することで知識が正確になり、次第に点数が伸びていきます。

十分力をつけるまで過去問練習を引き延ばす人もいますが、まだ知識が不十分であっても、できるだけ早い段階から過去問に挑戦することが実力をつけるポイントです。

4 四択問題の落とし穴──消去法で正解しても効果半減

多くの「過去問題集」は本試験問題と同様「四択問題」で編集されていますが、ときどき消去法で正解できることがあります。消去法で正解できても練習効果は半減です。

「三つは簡単にわかった、残りの一肢はよくわからないけれど消去法でこれを正解にしよう」ということで、その問題が正解になったとしても、この一肢はぜんぜん理解できていないわけですから、本試験には役に立ちません。
選択肢の1つ1つが正解できるまで練習する必要があります。

5 準備は早く──後回しは不利

民法から始めるか宅建業法から攻めるか、いろいろ意見もありますが、初心者の方は民法から始めることをおすすめします。

宅建業法や法令上の制限に比べて、民法をマスターするには時間がかかりますから、遅く始めると、たとえば6月頃からとりかかると本試験まで4ヵ月しかありませんから、広範囲で論理的な民法を理解するのは相当困難でしょう。

とくにはじめての人は、民法の聞き慣れない専門用語や考え方がなかなか理解できず、そのため過去問をやっても安定して正解することできません。

それに、民法をある程度理解すれば、宅建業法などはすごくやさしい科目だと実感できるでしょう。
たとえば、宅建業法の頻出項目である「売買契約」「媒介契約」「代理」「契約解除」「瑕疵担保責任」などは、すべて民法の延長です。民法を勉強していれば、こんなのは簡単です。
宅建業法は短期でも合格点をとることは決して難しくありません。

一方、民法は短期で一気に力がつくような科目ではないため、後回しにすればするほど不利になります。遅く始めて有利になることは決してないのです。
できるだけ早い時期にとりかかるのが正しい受験対策といえるでしょう。

4 過去問レベルの勉強を

こうしてみてくると、なかなか手強い民法ですが、はたして「どんなレベル」の勉強をすればいいのでしょうか?
宅建民法は、民法学の勉強ではありませんから、条文の解釈や判例について細かくやる必要はありません。

ズバリ、過去問のレベルです。

実際に出題された過去問レベルの勉強をすればいいのです。
基礎知識から応用まで、範囲においても、内容の深さにおいても、過去問が最適の見本です。
ので、から説」を武器に、過去問レベルの勉強をしていってください。


(この項終わり)